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そうこうしているうちに子どもは育つ

案外父親は育児にするどい知見がある!(かもしれない)

2歳の歯磨き、その難しさ

育児 2歳

もうすぐで2歳になる子どもたちは、とにかく親のいうことを聞いてくれない。「従わない」というレベルではなく「話を聞いてさえくれない」のだ。

 

一日に一回、子どもたちが夕飯を食べたあと歯磨きをしている。担当は父親である僕だ。夕飯後、子どもたちは満腹感からかめいめい穏やかに遊んでくれていることが多い。最近はおかあさんといっしょの録画を観たり、チラシをビリビリやぶって遊んだりするのがお気に入りだ。そこに歯ブラシを二本持った僕が登場するのだが、完全にムシ、目を合わせてさえくれない。たぬき寝入りを始めた時なんて自分の目を疑った。 とうとうあきらめてたいてい娘の方からはみがきを始める。娘はまだいい。まずらっこの親子のような体勢をつくる。そして「シャカシャカするよ~!」などと大声を張り上げる父親を不憫に思うのだろうか、娘は一応30秒くらいは口あけたり、イーしたりしてくれる。その30秒にわずかに残った自身の集中力を注ぎこむのだ。

問題は息子の方だ。ラッコ親子の体勢に持っていこうものなら海老反り、または連獅子のように体をくねらせ大暴れして歯磨き自体をあきらめることになる。「虫歯になるとパンが食べられないよ!ましてやクッキーなんてもう絶対食べられない!」と説得してみても、「ヤダッ」の一言で終わる。こんなことが2,3週間続くと本当にうんざりしてくる。「保健センターで習った技術は出し切っているのに・・・」と真剣に悩んだりもした。

 

この絶望的な状況を解決してくれたのが、YouTubeにあがっていた一本のアニメーションだ。男の子が歯磨きをしてバイキンを退治しママにほめてもらうというシンプルなストーリー。イメージ通りのバイキンが登場しヤリで歯をつんつんする、そいつをブラッシングにより口から掃き出すと、バイキンは"やめてー!"と泣きながら逃げていく。正直なところまったく期待せず息子の様子を伺うと、あれ? 食い入るようにアイパッドを見つめているではないか。そして約3分のストーリーが終わった瞬間、驚くべきことがおこった。息子はいきなり「バイキン!」と叫び、くるんっと仰向けになって口を大きくあけたのだ。それを見て声をあげて笑う妻を、僕は真剣な顔で制止した。それから妻は僕を見てさらに笑った。僕が泣いていたからだ。僕は、黙って丁寧に息子の歯を磨いた。涙の理由はうまく言えないけど、子どもの成長に感動して泣いたわけではないのは確かだ。

 

この話には後日談がある。娘はバイキンが本当に怖かったようで、すっかり元気をなくしてしまった。小さな声で「バイキン・・・」とつぶやき、泣きそうな顔ですがりついてきたりする。かわいそうなことをしたがこれも数日で忘れるだろう。息子はあれからさほど嫌がることなく歯磨きをしてくれるようになりました。子育ては本当にひとつひとつ積み上げていくしかないですね。