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そうこうしているうちに子どもは育つ

案外父親は育児にするどい知見がある!(かもしれない)

はじめての帰省(飛行機との戦いを前にして)

育児 旅行

年末、初めて子どもを連れて帰省する。交通手段は飛行機だ。これは一大事。一年の最後に最大の難関が待っていた。つい先日も、赤ちゃんの安全を確保するために立ち上がった客室乗務員が、転倒し骨折する大変な事故があった。あれは色々考えさせられる事故であったが、とにかく我が家の緊張感は増したし、この冬に飛行機を利用する子連れにとって、色んな意味でぐっとハードルが上がったのは間違いない。


バスでさえじっとしておくことが出来ない子どもたちが、飛行機内の環境に耐えられる・・・わけがない。こうなったら最高の準備で挑むしかない。移動・周りの迷惑を考慮しての座席の予約、子どもたちが初見で夢中になれる本やおもちゃの用意など、妻はこつこつと準備をしてきた。僕だってただの木偶の坊ではない(はずだ)。飛行機の絵を見せて「ぶおー、しゅーんっ、ひこうきはかっこいいねー!」などと、日夜、飛行機を好きになってもらう努力をしている。「ヒコウキ、ヒコウキ」とオウム返しする子どもたちに、わずかな手ごたえを感じてもいる。しかし、離陸のGと騒音の前で、それらの努力と僕らの期待は、一瞬にして打ち砕かれるだろう。残念ながら火を見るよりも明らかだ。そりゃああんなの怖いに決まっている。とてもかわいそうだ。いまから、実家が遠くて申し訳ない!たいして意味もなく上京なんかしてごめん!と申し訳なく思う。


それでも、なぜ2歳の子どもを連れ、困難を伴いながら帰省をするのか。理由はただひとつ。僕の父と母、つまりおじいちゃんとおばあちゃんを喜ばすためだ。これが親孝行になるのなら、やってやろうじゃないか。そして大きく息を吸って街を歩くのだ。大人になった僕は、故郷の街がこんなに小さかったのかと驚く。商店街にはシャッターが降ろされている。そこには都会のようにスプレーでグラフィティが描かれたりはしない。○○電気店や○○砂糖店などの名前を、今でもはっきりと読み取ることができる。店の名前の下に記された電話番号は、今ではひと桁少なかったりする。しかしそんな街並を見ても寂しさはない。なぜだろう?自分はこの街で生まれたからだ。生まれた街に帰ってきて嬉しくない人はいない、そう思える僕は幸福な少年時代を過ごしたのだと思う。