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そうこうしているうちに子どもは育つ

案外父親は育児にするどい知見がある!(かもしれない)

動物園にいって、他のお父さんを見て思ったこと。

育児 日記

 僕と妻と子どもたち、四人で動物園に行った。寒くなってきたからか、秋に比べると人の数は少なくなっていた。東京のイヤな暑さにまいっていたのか、動物たちは夏よりもずっと俊敏だった。動物に対して使うのはおかしいかもしれないけれど、野生的だった。娘は入場前から帰るまでずっと寝ていた。こんなに贅沢な昼寝はなかなかないと思う。

 

場内の飲食コーナーでフライドポテトとおにぎり、唐揚げを食べた。向かいのテーブルには、お父さんと子ども三人が座っていた。あのお父さんはさすがに経験豊富だから、一人で三人くらい平気なのかな、なんて妻と話しながらぼーっと見ていた。一番下の男の子、たぶん2歳くらいの子が、足を折り曲げて、靴が座面に着いた時のこと。お姉ちゃん、たぶん5歳くらいの女の子は、食べていたサンドウィッチをトレイの上に置き、黙ってさっと靴を脱がした。そしてまたサンドウィッチを夢中で食べ始めた。僕ははっとした。この女の子は、弟に対して常識的な言葉、例えば「椅子の上に靴で上がったらダメじゃない」なんて言わなかった。たぶんこの女の子は、直感的に、まだ現在の弟の成長段階ではそんなことを言っても無意味だとわかっていたんじゃないか。したり顔で注意する親の姿が簡単に想像できた。もちろんそれは僕自身の姿でもある。その女の子は太い眉毛の、凛々しい表情をしていた。長身のお父さんは、贅肉のない引き締まった体で、深くキャップを被って、時々子どもたちに何か言葉をかけていた。結局親で決まる部分が大きいなー当然だけど、と僕は途方にくれたのであった。

 

眉毛の太い女の子で思い出したけど、僕がまだ東京に出てくる前のこと、アルバイトしていた会社の近くに、女優の遠藤久美子がロケに来た。もう20年位前の話。滅多に見ることのない芸能人。びっくりするくらい可愛かったことを覚えている。一緒に見に行った同僚は、「天使みたいですね。眉毛が太いのもいいです。」と言った。それまで女の子の眉毛なんて気にしたことのなかった僕は、同僚の顔を見て、心の中で、こいつただ者じゃないなと感心した。いやバカみたいな話だけど本当に。 その友達は、その後デザイン関係の仕事で成功して立派にやっている。昔は僕も何かものを作る仕事がしたいと思っていたけど、眉毛の太さが気にならない僕に芸術的才能はなかったんだろう。